Q1 「洗った器を重ねておいたら、くっついて離れなくなりました。どうしたら外れますか?」

A1 「お電話で、かなり焦った様子でご質問いただきました。」

 こんな経験は皆さんあったりしませんか? 
 普通はぐっと力を入れて外したら、簡単に外すことができるものですが、ごく稀にどうやっても外れないなんてことがありますね。そんな時はどうしたらいいのでしょうか。

 まず、気をつけなくてはいけないのは陶磁器は割れることがあるということです。あたりまえですが、夢中になっていると力をいれすぎて‥‥なんてこともあります。

 重ねてくっついてしまったというのにもいろいろなパターンがあると思います。重なった器同士の間に隙間が少しでも見られるような時は、単純にはまり込んでいると思いますので外れる方向にぐっと(少しずつ)力を入れてみると(割れるとケガをしますので注意して)外れることも多いでしょう。それでも外れないという時は、タオルでくるんだ上などから、机の上などを使って軽くコンコンと振動を与えてみましょう。
 一番外れにくいのは、本当にぴったりとはまり込んでしまった時。よくあるのは熱湯で洗って重ねておいたら、外れなくなってしまったというパターン。暖かい器が冷える時の中の空気や器自体の膨張・収縮が原因になります。陶磁器は金属ほど顕著ではありませんが、やっぱり温度で多少は膨張収縮します。その場合はふたたび器をあたためてやるという方法がいいでしょう。大きなナベにそのまま入れて煮込んでもいいでしょう。また外になる器を湯煎してあたためながら、内になる器を氷などで冷やして器の膨張収縮をより大きくしてやるというのもいいかと思います。
 よく指輪などが外れなくなった時に洗剤を付けてという方法がありますが、ぴったりくっついた陶器の場合はあまりメリットがない上に、逆に手を滑らして破損やケガのリスクを増やすことになるかと思います。

 いずれにしても、気長に作業をしてみることをお薦めします。あせって割ってしまってもいけませんし、その日は外れなくてもほっておいたら外れやすくなってきたということもあります。

 最初にも書きましたが、陶磁器は割れやすいもの、十分に気を付けてとり扱ってください。また、ここに書いたようなことを試しても全く外れないということもあると思います。陶磁器の破損や作業中のケガ・火傷も含めてすべて自己責任で作業を行ってください。