瀬戸だより 369 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

369号「陶壁考」という話

2013/07/13発行



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瀬戸市役所玄関ロビー。
問題の陶壁ですが、なんかいろいろ前に置かれてますね。

 まったく暑い日が続いております。早めの梅雨明けだったということもありますが、子どもたちの夏休みが始まる前からこの暑さ。来週を乗り切れば、夏休み突入という小中学校も多いのではないでしょうか。大人、特にお母さんたちにとってはいよいよ「面倒な」1ヶ月半のスタートですね。がんばってまいりましょう!

 先週の「瀬戸だより」では瀬戸市役所の入口に飾られていた陶祖碑調査の中で出てきた法華経の文字が書かれた小石が展示されているという話でした。今回はまさにその展示の後ろの壁の話題です。

 今週9日の中日新聞に「瀬戸市役所の玄関ホールにある鈴木青々作の陶壁が市役所建て替えにともない一部が移設保存されることが決まった」との記事がありました。
 瀬戸市役所も老朽化が進み、特に近い将来に起こるとされる東海地震を考えれば耐震性に優れたものへの建て替えが急務とされます。市民としてよく問題視されるのが庁舎建て替えは必要なのにそれに備えての積立が十分に(ほとんど)されていなかったこと。市債などでまかなっていくようですが、この先どこかかしこ今までより予算は削られるであろうことが心配です。まあ、このようなことは多かれ少なかれどこの街にもありそうなことではあります。

 「瀬戸だより」的に注目したいのは壁画の扱いということです。「瀬戸だより」では今までも陶壁についてしばしば話題にしてきました。2008年に閉鎖されたサンパレア瀬戸の加藤唐九郎作の大きな陶壁の話題、そしてそれをきっかけに取材を受けた新聞記事の話題もありました。
 瀬戸はご存知の通り陶器の町です。街のあちこちの公共の施設・建物には必ずといってもいいほど地元陶芸作家による「陶壁」があります。高度経済成長期(とそれ以降)には多くの施設が作られています。瀬戸市役所もそうですが、それらが徐々に建て替えの必要に迫られる時期を迎えるようになってきています。
 それぞれが建てられた時代時代でその当時活躍していた陶芸作家が制作にあたっている事が多く、時代を考えながら陶壁を訪ね歩くのも興味深いものがあります。
 それが建物の建て替えを迎える時、その処遇が問題になるのです。建物と一体化した陶壁は使用中に剥がれ落ちてはいけません。後に外すことなどまったく考えることなく設置してあります。ですから、傷つけることなく外すのは困難で、かなりの費用が掛かることになります。また、建物のサイズや壁の形に合わせて作られていますので(前述の唐九郎作の陶壁はまさにそう)移設先もむずかしいわけです。
 制作にあたった作家はその作品である陶壁については、建物とともに終焉を迎えるだろうことは認識し覚悟している方もいる(多いように思います)ようです。
 今回も市役所陶壁は移設保存するというものの「一部」だけです。

 ここ数年、陶壁を見る度に陶壁の行く末を考えています。
 出来れば壁から外し、別の場所で保存というのが理想だとは思います。旧市民会館にあった北川民次の陶壁が外され市民会館跡地の瀬戸蔵東側に移設されている例もあります。が、サイズや予算を考えれば出来る条件も限られています。
 では、今回のように「一部」を切り出しての移設保存を考えると‥‥。よく政治家が「長い文脈の中から一部分を切り取られるとまったく違う内容と取られてしまう」と言いますが、作品も一部を切り出せばニュアンスが変わるだろうということは十分ありえるわけです。作家の指示などを仰げば、とも思いますが陶壁の取り壊しの頃には制作者は「故人」になっている事が多いわけで、なかなかそうもいきません。決められた予算の中で出来る限り残したいという気持ちもわかりますが、陶壁を作品として捉えるならば、なかなかむずかしいことです。
 作品を作る過程(建物に合わせてデザインされその一部となる)ことを考えれば、建物とともに終わりを迎えるのは致し方ない、あるいは自然なことにも思えるのです。
 ただ、取り壊しの際にはきちんとした調査をし、記録を残すことは必要です。さらに市民に向けた鑑賞会などを取り壊し前には行なって欲しいとは思います。また、取り外し費用も含めて作品としての陶壁の競売というのも(なかなか需要があるとは思えませんが)どこかで保存される可能性があるかもしれません。

 これから、市内だけでも多くの取り壊されなければならない建物があることは予想出来ます。公に公開されている以外にも会社や団体の建物にも知られることなく建物とともに消えていく陶壁作品もあるでしょう。それを考えると、公の建物については今後陶壁の保存・取り壊しは何らかの基本方針も必要になるのではないでしょうか。

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