瀬戸だより 290 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

290号 「ポロックの作品を前に」という話

2012/01/07発行



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ポロックのアトリエを再現したコーナー

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくおねがいします。
 今年は元旦が日曜日で振替の連休でスタート。そして、仕事始め直後の今週末も今日を含めて3連休になる方も多いと思います。


 正月休みに名古屋市・栄の愛知県美術館で開催中の「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」を見に行って来ました。ポロックと言えばモダンアートの巨匠。キャンバスにペンキを流しこんだり(ポーリング)、滴らしたり(ドリッピング)した作品で知られます。評価額が200億円といわれる「インディアンレッドの地の壁画」の展示が目玉となっています。この「評価額200億円」という数字は展覧会チラシやサイトなどにかなり目立つようにしっかり書かれていますね(こういう金額部分で煽るような宣伝は個人的には好きじゃないんですけど)。


 一言で感想を書けば「もっと見たい」という印象を受けました。「伝説のアーティスト、日本初の回顧展」だけにもっともっと点数があったら(70点ほどですが、スケッチや鉛筆表面に描かれた作品、小さめの作品も多いので)‥‥まあ、メジャーな画家ですし、作品の価格を考えれば世界中から集めて借りてくるのも大変でしょう。

 最初期の作品から様々な影響を受けつつ、試行錯誤の末に作風を確立していく過程がわかりやすく展示してあります。話題の作品そのものよりも、ポロックという画家の一生が展示室に溢れていると感じました。
 で、話題の200億円の作品ですが‥‥‥その前に立ってもそこまでの感慨というか何かを感じられませんでした。たぶんそれは、この作品が美術史の年表の上に置かれた時、その前とその後とで時代をはっきり分けてしまうようなものであり、その前後の絵画史を自分が理解していないからじゃないかと。ものを見るにはそれなりの勉強・知識の裏打ちを持っていなくてはいけないと、自らの勉強不足を年の初めに反省でした。


 ポロックの作品を見ていて思い出したことがありました。陶芸家・浜田庄司の一言(有名な話しですが)です。
 浜田庄司の生み出した技法に「柄杓掛け」があります。大皿などに柄杓で釉薬を流しかけていくものです。以前に何かの記録映像で見た記憶があるのですが、リズミカルに迷いなく大胆に掛けていました。
 そのわずか、時間にすれば15秒ほどの製作過程を見た人が「高額な作品が15秒ほどで作られるのはどうなのか」とたずねたそうです。その際の浜田庄司の答えが「15秒と60年と考えてもらいたい」というもの(細かなところはうろ覚えな点もありますが‥‥)。
 ポロックの作品もそうですが、作品を鑑賞する際は作家のそこにたどり着くまでの苦悩や試行錯誤までも想像して鑑賞すべきです。今回の展示の流れもそのあたりを狙いとしているように受けました。


 「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」は愛知県美術館では今月22日まで、その後2月10日からは東京国立近代美術館で展示されます。


2012/01/07

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