瀬戸だより 276 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

276号 「産地のアイデンティティ」という話

2011/10/01発行



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アトリエ参道の賑わい。

 先週末の「来る福招き猫まつり」は天候にも恵まれ、たくさんの人で賑わいました。いろいろなイベントにスタッフとして関わっていた方々の話を聞くと、土曜日の人出のほうがすごかったようです。
 来週末は「せと・あとりえ参道」が行われます。こちらはせとものに限らず様々なクリエーターが参加するイベントとなっています。今回が第3回ということでまだまだ知らない方も多いのかな。会場は深川神社参道。そんなに広くはありませんが、昨年の印象では、参加者のブース一つ一つが個性的で楽しいイベントでした。合わせて瀬戸蔵では「せとめし広場」という瀬戸のおいしい物が勢ぞろいのイベントも開催です。


 ちょうどひと月前くらいですが、瀬戸窯業高校専攻科時代の同期が訪ねてきました。彼は福島・浪江町の大堀相馬焼の窯元。現在は原発事故で家から離れた場所で生活しています。相馬大堀焼は歴史はあるものの、規模としては大きとは言えない産地です。その産地全部が避難を余儀なくされています。
 震災当時のこと、昔話や現在の仕事のことなど、再開を喜び、飲み明かしました。
 彼が今探しているものがありました。砥山石(とやまいし)というもの。馬の絵とともに大堀相馬焼の特徴である貫入の入った釉薬のもととなる地元の原料です。今は砥山石そのものの入手は困難です。化学的な分析データがあれば、非常に似たものは再現ができます(学生時代、嫌というほど計算したゼーゲル式が役に立つのです)。一緒に母校の恩師を訪ねたりしましたが、残念ながら今回はその資料は見つかりませんでした。

 陶器作りの歴史は何千年と遡れます。人の生活するところにはその場所に適した陶器作りが行われてきました。その土地の土で作られて生活に根ざした陶器は、その土地独特な雰囲気・文化・生活を感じるものになって行きました。産地産地にそれぞれのアイデンティティがあるのです。
 現代では製品の流通のみでなく原料の流通も活発です。瀬戸にいても簡単に信楽など他産地の土も入手できます。インターネットでもそれは可能でしょう。それでもなお、瀬戸は瀬戸、信楽は信楽、萩は萩、など産地の独自性は失われていません。ちょっと不思議な感じもします。たぶん、その理由は作り手たちの生まれ育った(あるいはその土地を選んで移り住んだ)土地に対する愛、いわば産地愛じゃないかと思います。
 そんなことを砥山石にこだわる彼を見て思いました。瀬戸の特徴は何でしょう。土は鉄分を含まず白い。手を加えれば磁器に似た雰囲気にもなる、万能と言ってもいい土。白いが故、様々な釉薬が施され発展したと思います。瀬戸で土に触れるなら、釉薬に更にこだわるべきじゃないかと‥‥最近感じています。

 震災で大きな被害を受け避難を続ける産地の作り手たちも拠点を他に移しつつ、復興のため再スタートを始めています。頑張って欲しいと心から感じます。

■大堀相馬焼

2011/10/01

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