瀬戸だより 267 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

267号 「びえんこ」という話

2011/07/28発行



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鼻煙壷。

 今回の話題は「びえんこ」です。
 ビエンコとカタカナで書くとイタリアあたりのレストランかなんかみたいな響きですけど関係ないです。「鼻煙壷」と書きます。いったい何かというと鼻煙とは嗅ぎタバコのこと‥‥と言っても嗅ぎタバコがなじみないものですね。自分も四十数年生きていますが、嗅ぎタバコを楽しんでいるという人は見たことがない、嗅ぎタバコすら見たことがないわけです。

 嗅ぎタバコとは細かく粉末にしたタバコに香料などを加えたもので、鼻に吸い込んで楽しむ種類のタバコということです。日本では見かけないものですが、海外では結構愛好家は多いようです。
 その嗅ぎタバコを持ち歩き気軽に楽しむために中国で作られた入れ物、蓋付きの小さな瓶(壷)というのが鼻煙壷というわけです。
 今瀬戸市美術館で「鼻煙壷の技と美 ~沖正一郎コレクション~」が開催中です。なかなか興味深い展示でした。
 嗅ぎタバコを持ち歩くための入れ物ですから、手のひらに載るほどというか握りこぶしの中に隠れそうというか、とにかく小さなものです。展示室もかなりたくさんの数(300点!)の鼻煙壷が並んでいるもののごちゃごちゃしたところがありません。展示ケースの中に点々と並べられています。小さいながらもその存在感は大きく感じます。
 素材はガラス、陶磁器、石、象牙やべっ甲など様々です。そのとても小さな壷には様々な装飾が施されています。中国のものですからやはり龍や花鳥風月をテーマにしたものが多いですね。後のヨーロッパのアールヌーボーにも影響したという解説もありましたが、確かにそんな印象を受けます。
 ガラスのものには重ねガラスだったり、上絵や内絵だったりと美しいものです。この内絵の技法というのが興味深いものでした。透明なガラスの壷の内側に先の曲がった筆を使い外側から見て自然に見えるように絵が描かれたものです。まるで写真のように見えるものも多く、いったいどのように色を重ねていったのか不思議です。清朝時代に作られたものが多いようですが、中には歴代のアメリカ大統領(クリントンまで描かれていた)のセットとか、手塚治虫のブラックジャックやリボンの騎士、ジャングル大帝などが描かれたものがありましたので、現代でも作られているものもあるようです。

 展示の最後の方には、あまりに小さな展示資料を大きく拡大してみられるようiPadが置かれていました。中には展示された鼻煙壷の画像が入れてあり自由にサイズを変更して細かな部分を見られるようになっています。本当はこれを手に持ってそれぞれの展示資料の前で比較しながら見られるといいのでしょうが、1台のiPadが紐につながれてあるのみでした。今は高価なものなので仕方ないと思いますが、例えば観覧者が持ち込んだ個人所有のiPhoneなどの端末に無線LANで資料を転送するとか‥‥近い将来くるであろう展示の未来が感じられました。そして、その隣には嗅ぎタバコの体験コーナーも。タバコ成分を含まない香料などのみの白い粉ですが、自由に鼻に摺り込む吸い込むことができますよ。
 なかなかまとめて見ることのない鼻煙壷のコレクションの展示。最近は新幹線の問題など「パクリ」ばかりが取りざたされることが多い中国ですが、この小さな壷を通して中国美術工芸奥深さと魅力を再発見してきました。7月31日まで瀬戸市美術館。

2011/07/28

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