瀬戸だより 198 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

198号 「はてなの茶碗」という話

2010/03/20発行



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不思議な茶碗でしょ。

 先週も倉庫の片付けをしているという話を書きましたが、今週もまだ片付けを続けています。夏場の倉庫はもうサウナのような暑さ、年末は(大概暇なご時世ですがそれでも)忙しく、結局毎年この季節に作業することになってしまいます。特に今年は棚を組み替えたりと、徹底的にやっております。

 落語には陶器や瀬戸物屋が登場する噺がいくつもあります。たとえば「井戸の茶碗」なんていうのは有名ですね。そういう中に「はてなの茶碗」という好きな噺があります。これも有名な噺なのでご存知な方も多いでしょう。

 「京都で有名な茶道具屋の主人・茶金が茶店で不思議そうに一つの茶碗を眺めている。それを見ていた油屋が価値があるのではないかと、茶店の主人から無理やり二両で買取って茶金の店に持ち込む。安物という番頭に主人でなくちゃ埒が明かないと、無理やり茶金本人に茶碗を見せる。すると茶金は「全くひびも傷もない、釉も見たところおかしくない。それなのにぽたぽたとお茶が洩れてくる。それが不思議ではてなと首をかしげていた」と。それでも「自分の名前を買っていただいたもの」と三両で油屋から茶碗を買う。ところがその茶碗を面白がった関白が歌をつける、またその噂を聞いた時の帝が「はてな」と箱書きをつける‥‥そして鴻池が千両でその茶碗を買いたいという‥‥。」そんな噺です。


【落語】 桂米朝 「はてなの茶碗.」 投稿者 rakugorian03


 骨董・茶道具の世界というのを面白く扱った話ではないでしょうか。

 昨日、倉庫整理をしていたところ「はてなの茶碗」ではないですが、不思議な茶碗が出てきました。水漏れがする、ということではなく、コーヒーカップのような取っ手がついている茶碗です。ふざけて作ったものではないようです。茶碗としては(高級という感じではありませんが)高台などもきちんとまじめに作られた織部の茶碗です。何よりも入っていた化粧箱には「新案特許出願済み」、「卓上抹茶」と印刷してあります。「洋間で使う卓上抹茶茶碗‥‥」と説明も入っていますので洋の空間でも使うことが出来る斬新な茶碗ということでしょうか。コーヒーの受け皿のような、同じ釉の掛かった皿も同じ箱に入っていました。出てきた倉庫の棚の「地層」から考えると30年以上前のもののように思えます。
 抹茶茶碗を支えるにはちょっと華奢な感じの取っ手‥‥やっぱりかなり無理があるような感じですね。もう少し軽い感じならば、カフェオレカップにちょうどいいかもしれませんね。

 住空間が本格的に「和」から「洋」に替わっていく時代の器作り手たちの試行錯誤というもの感じる資料になりそうです。

2010/03/20

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