瀬戸だより 192 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

192号 「素焼きしていますか」という話

2010/02/06発行



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瀬戸川。

 これを書いている「今」は金曜日の午後なんですが、瀬戸の街は雪が降り始めました。今年はよく雪が降りますね‥‥暖冬って言ってたのに‥‥。

 「瀬戸だより」を購読いただいている方には、今更説明されるまでもないと思うでしょうが、素焼きについて考えてみます。

 「陶器が出来るまで」なんてものが子ども向けのパンフレットを見れば、土を練る~ロクロとかで形を作る~乾燥させる~窯で素焼き~絵を付けたりする~釉を掛ける~窯で本焼き~完成(上絵のものとかこの後にまだ作業が続くのですが‥‥)といった感じで紹介されるでしょう。で、「素焼き」。形を完成させ、よく乾燥させた後、窯に入れある程度の温度で(私はいつも800℃)焼く工程ですね。

 瀬戸の窯元を回っていると、意外と素焼きの工程を行っていない窯元も多いことに気がつきます。ロクロで形を作った後しっかりと乾燥させた後、鉄で絵を描き釉を掛けて、本焼きへ‥‥。「生掛け」といわれる方法です。古くからの織部などの窯元や作家さんで生掛けのところが多いように思います。
 一度窯で焼くだけで済むのならば、その方が「エコ」な感じですね。それでも「素焼き」という工程があるのは、理由があります。乾燥させただけの器は水を含めば、ふたたび粘土に戻ります。薄く作られた器であればあるほど、水を含んで「くたっ」としてしまいます。また、絵付けなどの作業工程でも素焼きしてある器のほうが扱いやすく、筆のすべりもいいように感じます。でも、このあたりの違いというのは瀬戸の伝統的な器は多少厚めが多いですし、実際素焼きをしない窯元ではの釉掛けの作業も(釉の桶にどっぷり漬けるというよりは)手際よく素早く行っているように見えます。作る器の都合(厚み)+「慣れ」ということでしょうか。

 ただ、この「慣れ」というのが問題です。生の素地と素焼きした素地に釉を掛けるのは素地の吸水性が大きく違ってきます。また、素焼きの温度によっても違いがあるようです。
 普段、素焼きを行っている方がたまに生掛けをすると思わぬ失敗になることがあります。以前、作家さんに御深井の器をお願いしたことがありました。御深井釉の中で呉須が流れる美しいものでした。しかし、納期まで時間がなく、作家さんがやむを得ず素焼きの工程を飛ばし、普段行わない「生掛け」で釉を掛けて焼いたのです。結果‥‥流れるはずの呉須は固まったままほとんど流れず、全く雰囲気の違ったものになってしまいました。呉須で素地に模様を入れる際いつものような濃さにならなかったのか、釉掛けの厚みがいつもと違ったものになってしまったのか、その辺りが原因と思われます。もちろん生掛けで普段から同じような釉をあつかっている作家さんもいらっしゃるわけで、釉などに対しての違ったノウハウもあるのでしょう。素焼きするしないの良し悪しでなく、普段と違う慣れないことには注意が必要ということを作家さんとともに勉強した一件でした。

2010/02/06

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