瀬戸だより 165 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

165号 「小森忍 ~日本陶芸の幕開け~」という話

2009/08/01発行



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まだ見ていないけどお薦めです。
(見てきた感想を追記してあります。)

 夏休みに入っても、梅雨が明けません。毎日毎日雨が続いています。ラジオで長く梅雨が続くと、夏向けの衣料品、観光業、電化製品、そして農業と経済的な損失というのがかなりの額に上ると言っていました。経済の難しいことはともかく、青空に入道雲の夏らしい天候にならないと気分がよくありません。来週こそは‥‥お願いします。

 いつも瀬戸周辺で行なわれる陶芸関係の展示などを紹介していますが、自分の目で見てからでないとなかなかお薦めできないということもあり、どうしても会期の半ば過ぎて(あるいはぎりぎりに)紹介することが多くて心苦しく思っています。でも今回は見ていないにもかかわらず、太鼓判でお薦めできるものです。

 「小森忍 ~日本陶芸の幕開け~」瀬戸市美術館・8月1日から9月13日まで。

 小森忍さんは明治から大正、昭和と日本「陶芸」の黎明期から活動を続けてきた方です。京都の陶磁器研究所を始まりとして、満州、瀬戸、三重、そして北海道と場所を変えながら設立した研究所で中国古陶磁の研究を続けた方です。京都市立陶磁器研究所時代には後輩に当たる河合寛次郎氏や浜田庄司氏にも大きな影響を与えたといわれています。

 瀬戸には昭和3年から9年に秋葉町に窯を築いています。その時代の瀬戸にも少なからぬ影響を与えていたようです。

 陶芸作家が目標とする過去の作品があるとするならば、大まかに言えばひとつは日本の桃山時代の茶陶であり、もう一つは中国の古陶磁があげられると思います。小森忍さんの研究対象の中国陶磁器はその時代時代で釉があり多種多様な技法もあります。ですから、小森作品というのも本当にいろいろな釉・技法と変化に富んでいます。

 自分の中で小森忍と聞いて思い出すのは、先代(父です)がよく話していたタイルの話。父の生家は瀬戸の中心部にありました。当時としてはちょっとモダンな洋風の外観が特徴であったようです。その壁面に貼られていたのが、小森忍作のタイルだったそうです。最近までその建物は残っていたので外壁のタイルは見たことがありました。で、さらに風呂場にはもっと大きく立派な装飾のタイルがあったといいます。贅沢な作りの風呂だったわけです。残念ながら、私自身はそれを全く見たことはありません。先々代(祖父です)の時代(ちょうど瀬戸に研究所を置いていた頃になります)は何かの交流があったのかもしれませんね。

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 一人の作家の作品としては非常に技法も多岐にわたり、そのレベルの高さも驚くことと思います。作家というよりも研究者のイメージもありますが、お薦めの展示です。

 9月13日までということは、ちょうどせともの祭の土日が最終となります。お祭しか瀬戸にこられないという方もご覧いただけるようです。
 なおこの展示は瀬戸のあと、東京・町田市立博物館 9月19日(土)~10月25日(日)、福岡・田川市美術館 11月7日(土)~12月27日(日)と巡回していくようです(北海道での展示は瀬戸の前に終了しているようです)。

2009/08/01

■追記■

 その後、8月7日に瀬戸市美術館に行ってまいりました。

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 とにかく、すばらしかったです。数多くの技法・釉が楽しめました。個人的には(卒業研究に釉裏紅を選んだだけに)赤い銅の発色の辰砂の色が興味深く眺めてきました。
  特にチケットやポスターにも登場している「辰砂長頸瓶」の美しさは息を呑みます。まさに辰砂の鮮やかな赤に吸い込まれるようでした。そしてその赤が細くまっすぐに伸びた口に向うと、これまた美しいグリーンに変化していく‥‥。銅の発色が還元で赤、酸化でグリーンになるということを応用して、窯の内部でそのような切れ目になる場所で焼成したと解説されていました。すごい‥。

 上で少し話題にしているタイルも(別のものですが)いくつか展示されていました。洋風の建築というのが、日本の中でも消化されてきた時代だったのでしょうか。なかなか興味深いものでした。

 また、小森作品の参考として、影響を与えられた中国の古陶磁と、影響を与えられた昭和の名工たちの作品も数多く展示されていて、それらを見るだけでも価値があります。影響を受けた陶工として、河合寛次郎、浜田庄司、三輪休雪、加藤唐九郎、板谷波山、富本憲吉、石黒宗麿、近藤悠三らの作品が多数展示されていて、まさに昭和陶芸の名工のオールスターとなっています。久しぶりに見た板谷波山の作品(学生時代から好きなんです)はよかったですねー。

 これはもう、重ねてお勧めします。

2009/08/07

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