瀬戸だより 098 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

098号 「銅版印刷・絵付」という話

2008/04/19発行



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銅版印刷で和紙に印刷された顔料と出来上がりの湯呑

 「瀬戸だより」も今回で98号。おかげさまでなんとか無事に100号を迎えることができそうです。そこで、50号の時も感謝企画でプレゼントクイズをしましたが、今回も100号記念に何かご用意できればと思います。詳しくは「瀬戸だより」の100号で!お楽しみに!

 昔から陶器作りの中に銅版絵付という技法があります。たくさんの皿や茶碗などに同じ文様をいれたり、手描きではたいへんな細密な模様などには、とても便利な方法ですがどのようなものなのでしょう。

 最初に原版作りから始めます。薄く皮膜(防蝕膜)を塗った銅の板(銅版)に鋭利な鉄筆で文様を描きます。その銅版を塩化第二鉄などで腐食させます。銅版の表面は防蝕材の塗られたところは腐食せず、鉄筆で傷付いた部分は腐食し盛り上がりができます‥‥昔中学の美術の時間にやったエッチング、銅版画と同じプロセスですね。

 こうしてできた原版に呉須や鉄の顔料をゴムべらで刷り込んでいきます(ただの顔料では腐蝕部分に着きにくいので、以前お世話になっていた銅版屋さんは顔料に「シロップ(甘いヤツか?)」を混ぜて練った状態の物を使っていました)。顔料を着けられた銅版は和紙を乗せられ、ローラーでプレスされます。銅版から和紙を剥がせば、和紙に顔料の文様が写し取られています。

 ここまでの行程を行なうのが瀬戸に何軒かある「銅版屋さん」のお仕事になります。通常は原稿を届けてサイズや顔料の色など指示して、必要な枚数をお願いして印刷していただいています。

 こうして印刷されたものを窯元でせとものに移していきます。陶磁器の素地の上に和紙を乗せます(印刷してある面が素地側です)。そして和紙の裏から水刷毛でぺたぺたと水分を与え、和紙を剥がすと顔料の模様は素地に移ります。あとは通常通り釉を掛けて焼成‥‥完成となります。

 プリント‥‥というとどうしても簡単でどちらかといえば安っぽいイメージを持ちがちですが、銅版の印刷も複雑な器形にあわせて細かく分割されていたり、非常に細密な模様が計算されつくして器にバランスよく装飾されるのを見ていると、器の作り手、絵柄のデザイナー、そして銅版を作る銅版屋さんと、職人技のリレーのように思えてきます。すばらしい技術です。

 この銅版絵付けの技法は瀬戸では幕末頃に始まり、オランダの銅版磁器からヒントを得て工夫を重ねたようです。
 明治大正期にはかなり普及していたように感じます。瀬戸蔵ミュージアムにも古い銅版印刷の道具の展示がされています。いろいろな器の種類にあわせて工夫された形やデザインが、当時の陶工たちの研究する様を感じさせてくれます。

 なかなか表に出てくることのない分野ですが、銅版印刷は瀬戸には欠かせない技術のひとつです。

2008/04/19

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