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 瀬戸だより 〜せとものについて話しませんか〜

091号 「南公園と萩御殿」という話
2008/03/01発行
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何気ない休憩所のような建物が萩御殿。

 もう3月ですね。瀬戸市内では雛めぐりのイベントが行なわれています。また、瀬戸のひな祭りにつきものなのは「おこしもの」、米粉で作るお供えものです。ホームページ(web‐setomono.com)の方でも作り方を以前紹介しました。この一ヶ月ほど、その作り方のページを訪れる方が多くなってきているようです。自宅でおこしもの作りにチャレンジするのでしょう。木型は買うと結構高いのですが(2000円以上の値が付いていました)、型は使わなくても粘土細工の要領で楽しく作って見てはいかがでしょう。

 先日、瀬戸市美術館(瀬戸文化センター内)で行なわれている瀬戸市無形文化財保持者認定記念の「田沼春二・林邦佳作品展」(平成20年3月30日日曜まで)を見てきました。その会場の瀬戸文化センターのすぐ裏に南公園という緑に恵まれた公園があります。そこに「萩御殿」という施設があり、今回はそのお話。

 萩御殿と言っても、御殿というイメージには遠い、よくある公園の休憩所・東屋といった感じの建物です。この萩御殿は平成16年にかつての建物を模して再建されたもの。もともとは「萩の茶屋」と呼ばれる建物が明治時代にありました。これは当時瀬戸で行なわれていた大規模な治山工事を見学に来る人たちのための小屋でした。萩で小屋が飾られていたため「萩の茶屋」の名前になっていたようです。それが明治43年、この治山事業を行啓中の皇太子(のちの大正天皇)が視察され、その時の記念に「萩御殿」と呼ばれるようになりました(瀬戸にある萩殿町などの地名もこの萩御殿が由来です)。
 この治山事業がいかに注目されていたかということでしょう。


皇太子(後の大正天皇)の碑 。
明治43年の話。記念の松はよくわかりませんでした。

 江戸時代、国が安定すると経済・流通が発達し、瀬戸からは全国に向けて陶器が産出されて行きました。瀬戸から出荷される陶器が多く、今でも「陶器=せともの」と呼ばれるのはこの頃の名残なのでしょう。
 陶器の生産量が増せばそれだけ窯の燃料・薪の需要も多くなり、また陶土を掘り出すためには山を削っていかなければなりません。そのため、幕末から明治にかけて瀬戸周辺の山はほとんどがはげ山というほど荒廃しきってしまいました。当時は日本3大ハゲ山地帯として知られていたようです(あとの二ヶ所はどこか知りませんが‥‥)。大雨が降るたび土砂崩れなどの災害が起きるようになっていました。
 そこで明治に入り、山を回復させるための大規模な工事が行なわれたのです。

 今は緑豊かな瀬戸の山々ですが、先人の努力によって回復された山なのです。

 萩御殿周囲は「萩殿の森」として整備されています。面積的にはそこそこの広さですが、細かく枝分かれしていく道は歩きやすく、散歩に最適です(結構、起伏がありいい運動になります)。途中、明治当時の復旧工事あとが何ヶ所か見ることが出来、皇太子の行啓記念碑なども見ることが出来ます。


当時の工事の様子がわかります(再現)。
これ以外にも何ケ所かあり、解説の看板もあります。

 南公園自体は芝生の広場やいろいろな遊具があり、子ども連れも多い公園です。遊具や萩御殿へ訪れるには文化センターと反対側の(萩山台に近い公園南側の)駐車場の方が便利と思います。

 さて、山の緑を回復するために具体的にどんな事が行なわれたのか‥‥。長くなりそうなので、次回に続くということで。また来週。

2008/03/01


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