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 瀬戸だより 〜せとものについて話しませんか〜

061号 「個性的な美術館〜マスプロ美術館」という話
2007/08/04発行
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マスプロ美術館入口。右が工場、左が本社と美術館。
外に出たら土砂降りでした。

 瀬戸から南西方向、日進市に「マスプロ美術館」という美術館があります。

 マスプロと言えば、テレビなどのアンテナのメーカーとして有名ですね。「見えすぎちゃって困るわ〜」のCMも記憶されている方も多いでしょう。そのマスプロ電工の創業者・端山氏のコレクションが展示されています。展示は浮世絵と古陶磁に分かれていて、浮世絵のみ古陶磁のみの観覧もできます。もちろん見たいのは古陶磁の方。ある作家の方から絶対見に行ったほうがいいとお薦めをいただいて行ってきました。

 「入り口はかなりわかりにくいよ」と聞いていました。美術館はマスプロ電工の本社2階部分となっています。美術館の看板を目印に門をくぐりますが、この入口は工場の入口と共通ですから、大きなトラックも出入りしています。ひょっとして間違ったかなと思う雰囲気です。
 左側の建物が本社兼美術館です。本社入口に向かうと「美術館にお越しの方は中の受付に」というような事が書かれているので、中に入ります。美術館に来たというより会社に来たという感じです。受付の方(というか守衛さんですね)に美術館に来た事を告げると、空調や照明と思われるスイッチを入れてくれます。するとガラガラと横にあるシャッターが開き、2階の展示室に続く階段が現れました。入場料は陶磁器の方のみで1,000円。支払って2階の展示室に進みます。

 他に誰もいないせいか、展示室は広く感じます。そして静かです(観覧中に外が土砂降りになっていましたが、全く気がつきませんでした)。
 順路はしっかりと指示があるのでそのとおりに進んで行けば、迷うことなく楽しめます。個人のコレクションとは思えないほどの充実した内容です。志野から始まり黄瀬戸、織部(桃山時代のものが多い)、瀬戸・猿投の古陶器(鎌倉時代)から九谷、有田の磁器に‥‥。
  ユニークに思ったのはその展示品に添えられた解説です。解りやすいというだけなく、一般の美術館にある解説カードとは違いコレクターのものに対する思いが伝わってきます。「この器のこの部分を見て欲しい」「この器の入手にはこんな思いが‥‥」など読む事でより展示してある器に引きこまれていきます。入手した経緯や具体的な金額まで書かれているものもありました。
また特に見て欲しいという作品には展示品の後ろの壁に「見逃さないで」と書かれた丸い目印が張られています。解説カードにも「みておくんさい」など語りかけるような書き方もされていて、美術館に来たというよりコレクターを訪ねて見せていただいているという気持ちになってきます。

 展示ケースは一部が二段になっています。下の段にも(しゃがんで見る体勢になります)たくさんの陶片が展示されています。これも見る価値がありますね。ゆっくり見れば1時間2時間はすぐ経ってしまいそうでした。

 これだけの古陶磁を展示室にたった一人で鑑賞‥‥貸切り状態です。とても贅沢な時間を過ごせました。階下では働いていらっしゃる方がたくさんいらっしゃることを考えるとちょっと申し訳ない感じもしますね。

 休館日は土・日・祝(第二日曜日のみ開館)、基本的にマスプロ電工の営業日ということですね。場所も名古屋から離れたちょっと不便な場所です。行きにくい条件が重なっているかと思いますが、訪ねる価値はあると思います。リピーターも多いようです(受付の守衛さん?談)
 また、8月は会社の夏休みに合わせて休館するようですから、出かけるときは要確認ですね。

2007/08/04


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