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 瀬戸だより 〜せとものについて話しませんか〜

049号 「窯跡を訪ねてみよう」という話
2007/05/12発行
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 5月10日付の地元「とうめい」新聞に「瀬戸・紺屋田町で中世の窖窯群発掘」との報道がありました。
 今回の窯跡は瀬戸市紺屋田町の鉱物採掘工事予定地で発見され、鎌倉期の窯跡ということです。瀬戸市内最大級のものを含む5基の窖窯、そして工人たちの工房跡、数多くの日常雑器や古瀬戸の四耳壷など壷瓶類が発掘されたそうです。これだけの窯跡が集中して発掘されたことはなく、今後この窯跡は記録保存されるということです。

 ご存知の通り、この地方は古くから窯業が始まり六古窯のひとつにも数えられています。当時の窖窯は山の斜面に沿って造られたトンネル状のものです。瀬戸の山沿いにはそのような古い窯跡がいくつも存在します。私が高校を卒業後、初めてのアルバイトはこの発掘調査の手伝いの仕事でした。ちょうど万博の瀬戸会場のあたりだったと思います。瀬戸にはこんなアルバイトもあるのです。

 数多く発掘される窯跡ですが、保存・公開されているものはあまりありません。その中でも「小長曽陶器窯跡」(国指定史跡)は見学できる窯跡としてよく知られています。
赤津の町を抜けて、藤岡へ向かう峠道の手前にあります。標識・看板が出ていているので解ると思います。看板の前には車2台程度の停められるスペースがあります。


入口にある看板。

 この季節、ここを訪れるのが楽しみです。車を降りてから100メートルほど沢伝いに、林の中を歩いていきます。とにかく新緑がきれいです。そして、ウグイスや野鳥の声がいっぱい聞こえてきます。森林浴しながら、気持ちよく歩いていくと、窯跡に着きます。
今年はじめ、この近くで熊の目撃もあったようですが、もう大丈夫でしょう、たぶん。


舗装されているので歩きやすい道です。
春はウグイスなど野鳥の声であふれています。

 窯本体はコンクリートの大きな屋根に保護されているので、見学は金網越しになりますが、その周りには解りやすい窯の解説プレートがあちこちにあって便利です。


窯跡の様子。解説のプレートを読みながら見ていくとわかりやすい。

 窯の右側の斜面には、芝の中にやはりプレートがあります。ロクロの支柱のあった穴があって、かつてここが作業場であったことがわかります。この窯跡は窯本体だけでなく、このような作業場や、灰や不良品、古くなった窯道具をすてた「灰原」もまとまって見つかっていて、当時の窯場全体がほほ完全に出土しているということです。
 そして、室町期に作られた窯はその後一度廃棄され、江戸時代に再び利用されています。リサイクルという考えが当時あったか知りませんが、江戸時代に改造されて新しくなった部分、室町期のままの部分が混ざり合った窯になっています。


東京大学の敷地のど真ん中にあるんですね。

 また、この周りの山林は「東京大学の演習林」となっています。それを示す看板も窯跡回りにいくつかあります。東大演習林は全国にあるようですが、他の演習林が豊かな森であるのと違い、ここは荒廃した森の再生の研究・実習のために設置されたそうです。今は緑あふれる森ですが、かっては荒廃した土地だったのです(瀬戸の森の再生についてはまた別の機会に取り上げます)。
 気軽に見学できる(自然がいっぱいの)窯跡です。森林浴もかねて、一度たずねて見てはいかがですか。「瀬戸だより」26号の盗難除けの雲興寺さんも近くです。

 そういえばこの土日(2007年5月12日・13日)は、「赤津窯の里めぐり」もありますね。もう20回目になるのですね。毎回リピーターが増えているようですね。こちらもお薦めです。

さて、次号は「瀬戸だより」50号。先週お知らせしたとおりクイズを用意しています。お楽しみに!!

2007/05/12


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