瀬戸だより 047 of せとものの話をしませんか〜加藤兆之助商店〜

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 瀬戸だより ~せとものについて話しませんか~

047号 「御深井のこと」という話

2007/04/28発行



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脚注5月の空に御深井の湯呑をかざす。これからの季節にあった器と思います。

 瀬戸の伝統的な釉薬というと、織部、黄瀬戸、志野、古瀬戸、灰釉、鉄釉そして御深井の七つがよく知られています。
 今日はその御深井釉について。

 御深井というのは、もともとは江戸時代名古屋城内の深井丸にあった御用窯がその名の由来になっています。そこで焼かれていた焼き物は透明の淡い黄緑色が特色だったようです。
 現在、瀬戸で焼かれている御深井は作家さんによってその色合いはかなり多様ですね。黄色っぽい感じのものや黄緑系の色で製作される方もいますが、やはり一般的には透明感のある薄い水色の釉薬といったイメージではないでしょうか。

 見た目の色だけでなく釉薬はそれぞれ特徴を持っています。御深井の特徴といえば「流れやすい」ことでしょう。「流れる」という言い方はわかりにくいかと思います。陶器は素焼した(あるいは乾燥させた)素地に釉薬を掛けて、窯で焼くわけですが、窯の中が高温になると表面にかけられた釉薬は溶けていきます。その時に釉薬はその重みでしだいに下がっていきます。その下がる(垂れていく)量は釉薬の性質や釉掛けの厚みなどいろいろな条件で違ってきます。御深井もとても流れる釉薬です。
実際に御深井の品物の下の方を見てもらうと、窯の中で流れた釉薬が厚く溜っている様子がわかると思います。窯の温度が上がり過ぎたとか、調合が少し間違ったとかして、流れ落ちた釉薬が棚板にくっついちゃった‥‥なんてことも時には起こります。
 御深井の釉掛けをする前に、呉須(染付に使う青い顔料)で模様を描いておくと、窯の中で釉薬の垂れて流れるのにあわせて、呉須も美しく流れます。呉須の描き方や釉の掛け方、素地の表面の凹凸などで、いろいろな変化をします。

 先日、倉庫の整理をしていたら故・加藤常次さんの御深井の品物が数点出てきました。常次さんが亡くなられてから、もう何年も経ってしまいました。織部や鉄釉など様々な釉薬を巧みに使われる作家さんでしたが、私は御深井の作品が一番好きでした。薄く作られた口元、御深井の釉の下で美しく流れている呉須の文様。「窯が出たよ」と連絡をもらい、見に行くことが毎回とても楽しみでした。あまり多くを語らず、黙々と品物を作り続けていたことを思い出します。職人的な仕事をされるいい作家さんでしたね。若くして亡くなられたことがとても残念です。倉庫の隅で御深井の器を見ながらいろいろなことを思い出していました。

 さて、新緑の季節そして初夏、これからは御深井の涼しげな色合いが似合う季節です。御深井の器、いかがですか?

2007/04/28

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 名古屋城となりの名城公園に今も御深井池という池があるそうです。
このあたりが御深井焼のルーツ、御深井丸のあった辺りになるのでしょうか。
(情報と画像はフォトグループアンダンテ会員の恒川利男さんよりいただきました。)

2007/05/14 追記

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