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 瀬戸だより 〜せとものについて話しませんか〜

003号 「窯を焼く」という話
2006/06/23発行
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(窯の壁ではないです。使い込まれたエンゴロウ(さや)。
何度も自然の灰がかかり、光沢のある表面になっています 。

 せとものは土をこねて、形をつくり装飾をして、釉薬をかけて窯で焼成されて製品となります。普段、瀬戸では窯に入れて製品を焼成することを「窯を焼く」と言っています。
「窯で焼く」とか「製品を焼く」とはあまり言いません。窯元の人を「窯やき」と呼んだりしています。「うちは代々窯やきの家だから…」なんてよく聞きます。
店主はこの「窯を焼く」という響きが、とても好きです。

 薪窯を見学する機会があれば、ぜひ中に入って(もちろん焼成中じゃないですよ)窯の壁を見て下さい。その窯が古く使い込まれていればいるほど、壁に付着した薪の灰が融け厚いガラスのようになっています。それが外からの光を受けた時、キラキラと美しく輝きます。昔から窯やきの職人たちは多くのすばらしい焼き物を作り出すとともに、窯自体もひとつの作品として代々焼き続けてきたのではないかと思います。
そんな古い窯もずいぶん数が減りました。さみしいことです。たとえ火が入ることはなくなってしまったとしても、なんとか保存することは出来なかったでしょうか。

 古から陶工たちは瀬戸の地で窯を焼き続けてきました。山を掘り土をこね、心を込めて作ってきたものが、美しく喜ばれるせとものになるかは、窯の焼き方次第で大きく左右されます。窯を焼くという作業は最も重要な作業です。薪で焼かれていた窯は、石炭になり重油・灯油が燃料になり、今はガスや電気が主流です。しかし、「窯を焼く」という作業の大切さは全く変わることはありません。

 自らの仕事を誇りをもって「窯焼き」と称する人たちの仕事は間違いない……いつもそう感じています。

2006/06/23


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